リンパ浮腫は手術後比較的早期から発症する人もいれば、10年以上経過してから発症する人もいるそうだ。
リンパ節を切除したのだから、「リンパ浮腫には気を付けてね」といわれて退院をした。
術後4カ月。抗がん剤の副作用もあまり感じることもなく過ごし、最後の抗がん剤を打つ前日である。
私は家の拭き掃除をした。私は左利きである。リンパ節を取ったのは左腋。その左手に雑巾を持って、棚の上などを右左に往復しながら拭いた。久しぶりの掃除である。
夜になって、なんだか腕が重い。パンパンに腫れている。
うん?ついに来たかリンパ浮腫!
- リンパ浮腫に力を入れている病院の血管外来。診察を拒否される。
- 「リンパ浮腫についての講演会」付き合いで出席したが…。唖然とする。
- リンパ浮腫にならないために。なんと多いNG項目。これで生活ができるのか。
- リンパ浮腫の講演会。超神経質な質疑応答に、「私には無理、これでは生活できない」
- まとめ
リンパ浮腫に力を入れている病院の血管外来。診察を拒否される。
腕が腫れてこわばる、違和感がある、シワひとつない指、2倍は腫れている腕。 指で皮膚を押すと低反発のマットを押したときのように大きくへこんでゆっくりと戻っていく。
私の勝手な解釈ではあるが、私の乳がんの病院はあまりリンパ浮腫に力をいれておらず、リハビリ室でビデオを見ただけだった。
その時にもらった冊子に書いてあった血管外来を受診することにした。2時間待ったあげくに、「紹介状をもらってきてください」だった。
やはり、私の治療のカルテがないと診察はしてもらえないのだ。
帰りに、本屋さんにより、『リンパ浮腫を自分でケアする』(主婦の友社)というDVD付の本を買って帰った。
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「リンパ浮腫についての講演会」付き合いで出席したが…。唖然とする。
その講演会は、乳がんの手術をした人たちで作るサークルが主催していた。 毎月誘われるのだが、断っていた。
ただ、今回はお題が「リンパ浮腫」だったので、興味はあり、付き合いで参加した。(私の腕がパンパンになる前のことである)
会場に入ると、「乳房再建のコーナー」があって、シリコンの乳首などが展示してあった。 私は全摘ではないが、がん友が再建の最中だったので、いっしょに見た。
病院の垣根を越え、医師・看護師の垣根を越えた人たちが、いろいろと相談に乗ってくれる。 連れて行ってくれたがん友はリンパ節郭清(かくせい)はしていない。リンパ浮腫になる確率は私よりはかなり低いのである。
そのがん友が免許証の中に「もし、事故等で針を刺すことがあれば、左手にしてください」という紙を入れている。 私の場合は、左・右とも温存での手術である。どうなる。
私の病院では、リンパを取っていないほうの腕、つまり右手に点滴の針を入れたり、注射をしている。
会場の看護師さんに聞いた。「じゃあ、私の場合はどうなるんてすか?」 間髪入れず「足からですね。」
それは正しいのかも知れないけれども、そこまで気を使わなければならないのか?と。 私はそこまでしなくてもいいやと思った。
「リンパ浮腫について」の講演会が始まった。
リンパ浮腫にならないために。なんと多いNG項目。これで生活ができるのか。
- 腕を圧迫しない。 血圧測定や腕枕、締め付けるような下着・衣服、時計、指輪、ゴムバンドはダメ。
- 腕を酷使しない 。重い荷物は持たない。家族に協力もらう。過労や外傷、細菌感染に気をつける。 家事や仕事で無理しない。
- 長時間じっとしない、腕を下げない。 長時間同じ姿勢を保つ場合は、軽いストレッチなどをしてリンパの流れを促す。ひじを大きなクッションに乗せて、心臓よりも高い位置にする。
- 腕の皮膚を傷つけない。 細菌感染によるリンパ浮腫を防ぐため、皮膚を傷つけない。 ケガや虫刺され、ペットの爪による引っかき傷、日焼け、はり・灸、湿布やテープによるかぶれ、深爪、脱毛処理、皮膚の乾燥 屋外での作業は長袖の衣類とゴム手袋を着用し完全武装。乾燥を防ぐため、保湿クリームでスキンケアをする。
- 熱いお風呂。 体を温めると水分の循環量が増えるので手短に。
- 体重管理。 肥満になるとリンパの流れが悪くなる。
リンパ浮腫の講演会。超神経質な質疑応答に、「私には無理、これでは生活できない」
講演会の話は参考になった。その後、私の腕は腫れることになったわけで、やはり情報は必要だなと思ったが。
病気に対して、超神経質(これが普通なのかもしれないが)な皆さんで、質疑応答には唖然とした。
・何グラムまでのバッグなら持っていいか。
・セルフマッサージは1か所何分がいいのか、5分か8分か。
・ペットは手放したほうがいいのか。
・新聞を取りに出るのにも完全武装がいいのか。
・部屋の中に蚊が入ってきたらどうすればいいか。
・湯舟に浸かっていい時間は何分までなのか。
まとめ
QOL(クオリティ オブ ライフ)の向上というけれど、これを全部やってしまうと、私のQOLはダダ下がりである。
乳がんであることには向き合っていかなければならない。
それは分かってはいるけれど、生活の100%をそれに持っていくと、「日々生活していく上での不安度、ストレス」が100%になってしまうだけではないかと思ってしまう。
今日得た情報を、自分なりにチョイスしながらやっていくほうを私は選びたい。
何故なら、私は「明るい乳がん患者」なのだから。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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