左腋リンパ節郭清術(左腋のリンパ節を取る)を行った後に、TC療法(ワンタキソテールとエンドキサン)、抗がん剤を4クール行った。
この「タキソテール」がむくみの原因である。
- 抗がん剤による副作用なのか?リンパ浮腫なのか?
- 弾性スリーブ使用の注意点は?
- 手首から二の腕までの弾性スリーブを購入
- 弾性グローブとアームレストを購入。
- ミトン付き腋の下まである長いスリーブ(1万6,000円)購入
- 手首から肩まであるスリーブを購入1万6,000円(保険適用)
- リンパ浮腫に関する保険適用。弾性スリーブ購入にも適用!
- いまはいろんな色や柄などあり、選ぶのも装着するのも楽しそう
- まとめ
抗がん剤による副作用なのか?リンパ浮腫なのか?
抗がん剤治療中はあまり副作用の出なかった私は、雑巾掛けをした(してしまった)。本来、してはいけない。
その夜、腕が2倍くらいに腫れあがった。
「リンパ浮腫になった」と思った。ゴールデンウイークの真っ只中である。病院も休みだ。
本屋さんに行き、『リンパ浮腫を自分でケアする』(主婦の友社)という本を買って帰った。その本で弾性スリーブというものがあることを知った。
乳がん・子宮がん・卵巣がん術後のリンパ浮腫を自分でケアする/廣田彰男/佐藤佳代子
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連休明けに血管外来に行った。
紹介状を持っていないということで診察はしてもらえなかったが、看護師が言うには「結局、入院してもらってセルフケアの仕方を覚えてもらうのだから、自分でするしかないんですよ」だった。
後日、定期検診で乳がん治療をしてもらっている病院に行ったが、「タキソテールはむくむからね」と言われただけだった。
抗がん剤による副作用によるただのむくみなのか、リンパ浮腫になったのか?
腕がだるいし重い。
弾性スリーブ使用の注意点は?
- 朝起床とともに着用し、就寝直前にはずすことが好ましい。
- 弾性スリーブは着用して動かすことでマッサージ効果を発揮するので、横になっていると圧迫のみになってしまうため、圧が強すぎると痛みやしびれを生じることがある。
- 圧迫が強いほど効果が期待されるというわけではなく、あまり強い圧が加わると血行障害や炎症を起こす危険性がある。
手首から二の腕までの弾性スリーブを購入
ただのむくみなのか、リンパ浮腫になったのかがわからないままに、「弾性スリーブ」を購入した。
初めて購入したのは、岡本メディカル医療用着圧スリーブ(一般医療機器)(2,350円)だった。あまり負担のない値段だったので、とりあえず買ってみた。
手首から二の腕の真ん中くらいの長さのものだ。
注意書きには
- 腕用 着圧スリーブ
- 一般医療機器
- 日本人の体型に合わせてピッタリフィット
- 重ね着しやすい薄手タイプ
- 静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減
と書いてあった。
日中装着していると、重い、だるいの改善にはなった。
しかし、長時間装着していると、だんだん手首から先が腫れはじめた。手首に食い込み、ますます手の甲や指が腫れてきた。
スリーブの手首のところにハサミで切込みを入れ、すこし手首周りを緩くして使用した。
弾性グローブとアームレストを購入。
いつも使用するMサイズのゴム手袋に左手は入らなくなり、Lサイズを使用しなければならないほどに手の甲や指も腫れた。
そこで弾性グローブを購入した。
弾性グローブとは指先がカットされている弾性手袋のことである。
これを装着すると、指先から手の甲にたまったリンパ液を腕のほうに押し上げてくれるのを実感できた。
手首のところは緩めで、締め付けがない。最初に購入して、手首に切込みを入れたスリーブとセットで使うようにした。
ただ、スリーブの色はグレー、グローブはキャメルなので、外出時にはちょっと見た目が・・・
当時はパソコンでの仕事が多かったために、キーボードを打つと手首から腕までを浮かせた形になるので、疲れるし腫れがひどくなる。
弾性グローブとリストレスト(手首枕)とクッションで腕を支えるようにすると楽になった。
日中は腕を宙ぶらりんにするとだるいので、アームレスト(腕を骨折した人が使っている腕吊り)を購入して使ったりもした。腕を心臓より上にするとむくみも軽減する。
ミトン付き腋の下まである長いスリーブ(1万6,000円)購入
二の腕の途中までのスリーブは、二の腕をゴムで止めるような形になるので、そこから腋の下までの間が腫れてくる。ひどくなると肩の周辺もむくんでくる。
足のむくみやすい人が靴下を履くと、靴下のゴムの部分が圧迫し、食い込み、跡がつくのと同じ理屈である。
今回は、ミトン付き。手の甲から腋の下までの長いもので、肩に当たる部分にはマジックテープがついていて、ブラジャーの紐に巻いて止めることができるものである。
腋から手の甲までの一体型なので、途中を部分的に圧迫するところがない。「むくみ」的には良かった気がした。装着、脱着が少々面倒で時間がかかる。
ドイツ製だからなのか、丈が長すぎる。私の身長は154センチである。
弾性スリーブは、手首・前腕中央部・上腕中央部の周囲を測って、サイズを決める。
腕の太さ別はあるが、丈別はない。(丈はSサイズでいいのだろうが、腕の太さではMサイズ。)
Mサイズを購入したので私には長すぎる。途中でシワになったりすると、そこを圧迫してしまうので、シワがでないように伸ばしながら装着する。そうすると、腋のところで布が余ってしまいシワができて、腕の付け根を圧迫してしまう。
私は、肩口の長さを調整してミシンで縫って使った。
手首から肩まであるスリーブを購入1万6,000円(保険適用)
病院からは弾性スリーブについては何の情報もなかったので、ネットで私に合ったスリーブを探し回っていたときに、「30mmHg以上の弾性スリーブを購入すると保険が適用」されることを知った。
こういうときに「乳がんの会」などに入っていれば情報は入ったのかもしれないが、私は入っておらず、横のつながりはなかった。
病院で書類を書いてもらうのだが、先生は知らなかった様子だった。
書類を書いてもらい申請をした。
先生はあくまで「タキソテールでむくんでいるだけ。そのうち治る」と言う。
人からは「リンパ浮腫は一度なると治らない」と聞く。
どちらにしても、私には、弾性スリーブは必要なものである。
寝る時には抱き枕も必要だ。何個ものクッションを左側に並べ、腕を心臓よりも高い位置に保って寝るためだ。
以前購入のミトン付き弾性スリーブは、保険適用されると知る前だったので申請はできなかったが、今回は申請をしてから購入した。
リンパ浮腫に関する保険適用。弾性スリーブ購入にも適用!
2008年度の診療報酬改訂で、リンパ浮腫に関して保険適用となった。
腋の下や骨盤腔内の広範なリンパ節郭清術を行ったがん患者対象。
術後に腕や足に起こるリンパ浮腫がひどくなるのを予防するための弾性着衣(弾性ストッキング、弾性スリープ、弾性グローブ)などを購入する費用を支給。
対象は術後に発生する四肢(腕や足)のリンパ浮腫。
- 手続きは担当医に『弾性着衣等 装着指示書』を依頼。弾性着衣購入時の領収書が必要。領収書は『弾性着衣等装着指示書』の記入日より後に発行されたものが有効。
- 保険者に『療養費支給申請書』、『弾性着衣等装着指示書』、領収書を提出。
- 療養費は、代金を全額自分で支払い、その後保険者から自己負担額を差し引いた金額が払い戻される。
一度に購入する弾性着衣は、装着部位ごとに2着まで。(洗濯のための2着なので同種類、同サイズでなければダメ)
前回の購入から6か月後以降に再度購入した場合は、療養費の支給対象。
製品の着圧は30mmHg以上の弾性着衣が支給対象。(ただし、関節炎や腱鞘炎で強い着圧では支障をきたす場合は20mmHgでもよい)
申請できるのは、下記金額を上限として、購入費用の範囲内。
- 弾性ストッキング 28,000円(片足用は25,000円)
- 弾性スリーブ 16,000円
- 弾性グローブ 15,000円
- 弾性包帯 上肢 7,000円、下肢 14,000円
弾性包帯に関しては、「弾性ストッキング・弾性スリーブ・弾性グローブを使用できない」と医師の指示がある場合のみ対象。
いまはいろんな色や柄などあり、選ぶのも装着するのも楽しそう
私が最初に購入したのは、2012年。
当時、色はキャメル(濃い肌色)のみだった。当時でもショートの弾性スリーブは黒とグレーがあった。
血管外来の待合室で、半そでに黒の弾性スリーブを付けていた人を見たときは、正直最初はギョっとした。
しかし、日常私が使用していて、半そでにキャメルのほうが逆に目立つ気がした。
いまは日常的に、夏場などは日焼け防止用に、色のついた腕まである手袋をしている人が多い。
色のついた弾性スリーブをつけていても違和感はなくなった。
その後、むくみが少し引いたので、ショートの弾性スリーブは黒も買ってみた。
岡本メディカル医療用着圧スリーブである。むくみが強くでていない時は、やはりこれが一番使いやすかった。
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まとめ
結局、何種類も購入することになったが、オーダーメイドではないので、サイズも使い心地も使ってみないとわからないというのが正直なところである。
その時の症状によって、使う種類も変えたほうが良かったので、使い分けていた。
パソコンを使うときはグローブをすると手の甲のむくみがひどくならずに済んだ。
夏場はまだ着ている服が半そでなので、装着、脱着が簡単なのだが、冬場は注意が必要だ。
あまりきつめの弾性スリーブを装着すると、その上に着る服の袖でもっと圧迫される。脱ぎたくなっても、袖のある服を着ているので、一旦、全部脱いでからということになる。
しかも、装着するよりも、はずすほうが大変なのである。
私は在宅で仕事をしているので、その点はいつでも対応できるので助かったが、お勤めの方などは大変だろうなと思った。
久しぶりにネットで「弾性スリーブ」を検索してみると、いまでは、いろんな色や柄の弾性スリーブが出ている。
「7年間の間に変わったな~、みんな楽しみながら着けているんだなぁ」と思う反面、それだけ使う人が増えた、がん患者が増えたのか?とも感じた。
おすすめ…弾性スリーブは、ゴム手袋を使って装着、脱着をすると比較的楽にできる。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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