2014年、リンパ節郭清(かくせい)術後の抗がん剤、「TC療法」4クールで終わった。
TC療法ではリンパ浮腫を発症してしまい、いまでもまだ左腕は腫れている。
2017年、乳がん再発。部分切除後は、FEC100療法4クールとDOC補助療法4クール。合計8クールの治療が終わった。
さすがに「赤い悪魔」との呼び名がある抗がん剤だけに、いろいろな副作用がでたが、今回は「爪」について書いてみる。
- 抗がん剤を1クールすれば、爪に波線が1本できる。
- FEC100+DOC補助療法の8クール終了。爪は悲惨な状態に
- ガタガタになった足の爪は、アロマオイルで解決?
- 爪を丈夫にする効果があると言われるアロマオイルは?
- 8回の抗がん剤終了後の親指の爪。
- 知らないうちに親指の爪が剥がれていた。
- まとめ
抗がん剤を1クールすれば、爪に波線が1本できる。
下の写真は2014年の4クールの抗がん剤治療の後の爪である。
見事に4本横線が入っている。私はこの時に、波線の上に「サーフィンする人」をマニキュアで描くと面白いだろうなと思った。しかし、私には絵心がなく、ネイルサロンでお願いして、写真に残しておきたいなと真剣に思ったものである。(しとけばよかったと今でも後悔!)
この時は足の爪に異常はなかった。
FEC100+DOC補助療法の8クール終了。爪は悲惨な状態に
撮影時は自分の記録のためにと撮っていたもので、まさかブログに載せるなど思っていなかった。
お見苦しい写真ではあるが、リアル副作用だと理解して見ていただければなと思う。
下の写真は手の指の爪。
縦に黒い線が入ったり(人差し指)、2枚爪(実際には何層にもスライスした状態)になった。爪床(そうしょう)から爪が浮いている。
爪床とは爪板のしたの皮ふのことである。
正常時の私の爪は、ほぼ指先まで爪床(そうしょう)にくっついている(つめが長い)。
爪先が白いのは、爪が伸びているのではなく、爪床(そうしょう)から剥がれているのだ。
小指の白く見える部分は、特に爪床(そうしょう)から浮いている部分が大きいということである。
手の爪は、いままで通りのペースで順調に伸びてきて、最後の抗がん剤のライン(波線)から下は、正常に伸び始めている。
元気な爪に出る、生え際の半月も見え始めてきた。
すでに何度か爪を切っているので、波線の数が合わないが、見事に8回分の横に波線が入った。
ガタガタになった足の爪は、アロマオイルで解決?
定期健診で外科に行った。
足の爪の色が悪いことを言うと「水虫ですね」と言われ、皮膚科に行った。
検査の結果、水虫菌はいなかった。爪水虫ではなかったが「爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)ですね」と言われた。
足の親指の爪は、前に伸びることができず、新しく生えてきた爪が下から押し上げ、どんどん厚みを増していくそうだ。
「爪を剥がしたら、きれいな爪が生えてきますか?」と質問したところ
「剥がしたら、生えてくるまでの生活が大変だし、生えてきても同じになるよ。抗がん剤をしたのだし」と言われた。
やはり、ここでも。「乳がんとか抗がん剤」は水戸黄門の印籠みたいなものである。
担当医を通さないとだめなのか?紹介状を持っていっても答えはいっしょの気がした。
処方されたのは「保湿クリーム」だった。
保湿クリームは効く気がしなかった。
爪にいいと言われるゼラニウムのアロマオイルを毎晩親指に垂らした。後から分かったのだが、油は爪に浸透するそうだ。
保湿クリームを塗るよりも、乾燥してパカパカの爪はオイルを垂らすと、スーッと瞬時に浸透していくのがわかる。以来、アロマオイルで保湿した。
爪を丈夫にする効果があると言われるアロマオイルは?
細胞促進作用や、栄養を吸収しやすくしてくれ、皮膚軟化作用、乾燥予防に保湿作用が期待できるアロマオイルを探してみた。
- ゼラニウム フローラル系の香り。血行促進、細胞活性化作用がある。
- ラベンダー フローラル系の香り。傷を治す作用、細胞活性化作用がある。
- サンダルウッド(白檀) 皮膚の軟化作用、肌荒れに効果がある。。
- レモン 柑橘系の香り。消毒殺菌効果、皮膚の軟化作用がある。爪周りのがさがさ対策に効果的。
主に夜に使ったのはゼラニウムである。好きな香りだが、香りが強すぎる気がする。香りは人によって好き嫌いがわかれるので、日中は使わなかった。
お風呂上り、2~3滴たらして爪母(そうぼ 爪の根元)を優しくマッサージ。強くすると爪母(そうぼ)を痛めてしまうと、エステティシャンの友人が言った。
外出する日の朝はラベンダーを2~3滴垂らしてマッサージをする。香りが柔らかいので、大丈夫かなと。
サンダルウッドは、少し値段が張るので、ココナッツオイルやホホバオイルに数滴加えて、足全体のマッサージに使った。
レモンは、朝使った。気分もシャキッとする。
爪のためにと使用するのだが、その香りによって気分まで変えてくれるので、楽しみながら使い分けていた。
私は、アロマオイルの効果で爪が生え変わったと思っている。
実際に使ったアロマオイルはこれです。
8回の抗がん剤終了後の親指の爪。
右側は爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)と診断された爪である。
左側は盛り上がってはいないが、半分くらいは爪床(そうしょう)から浮いている。


どんどん上に盛り上がり、靴が履けなくなるほどの盛りあがった親指の爪。
抗がん剤投与が終了して2か月半が経ったころ、足の親指の爪の生え際が痛い。
手の爪は順調に爪が伸びてきたが、足の爪はなかなか伸びないが、上には盛り上がる。
何年かぶりにパンプスを履く機会があった。歩けば親指が痛い。
まじまじと見てみると、どうやら「死んでいる」という感じだ。
看護師の友人からは、もう生えないかもねと言われたし、皮膚科の先生もこのままという。エステティシャンの友達も、こういう年配の人の盛り上がった爪は削ってあげるのだと聞いた。
盛り上がった爪は靴の上から見てもポコリと膨らんで、歩くと爪が痛い。
指先のないサンダルを購入して、靴の代わりに履いていた。
知らないうちに親指の爪が剥がれていた。
パンプスを履いて歩いたときに、爪が痛かった。その後生え際がパカパカしていたから、少しずつ剥がれていたのかもしれない。
なんだか、急に親指の爪が小さくなった。「あぁ、死んでいるから乾燥してちぢんだのね」と思っていた。剥がれたとは気づかずにずっとアロマオイルを垂らし続けていた。
布団の中に紛れ込んでいたのか、剥がれた爪がベッドの上に落ちていた。
よく見ると、まるでミルフィーユのように層を成している。
だから、爪がポッコリ剥がれたのではない。
ミルフィーユを横に二分割したように、爪床(そうしょう)に新しく生えた柔らかい爪と硬くなった爪に分かれたのだ。
まとめ
爪が剥がれてから、ちょうど1年が経った。
手の指の爪は何事もなかったかのように元に戻った。
足の爪は親指以外は完全復活したが、親指はもう少しかかりそうである。
親指の爪は、写真を撮り次第アップする予定である。
先日、看護師の友人に足を見せたところ「生えたね。やっぱりメンタルもあるよね」と言われた。
だって私は、明るい乳がん患者なのだから!
いつもお読みいただきありがとうございます。
ポチっと押していただけると励みになります。